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上手く切り揃えられずどんどん短くなっていく前髪を
鏡で見て、
こんなこともひとりでできないのか、とおもう。
今までわたしたちが摂取していた”当たり前”が姿を消していく。
人に会えない時間の中で人のことを考える。
否が応でも、自分自身のこころと向き合うことになる。
こんがらがった果ては、単純明快。
“音楽が好きだ” “音楽(表現)で他者と繋がりたい”
普段からなんとなく浮かんでいるものが浮き彫りになっていく感覚は、
音楽をはじめた頃の、初期衝動に近い。
エネルギイを溜める(貯める)ことに専念し、
そして事態が休息した時に、
このエネルギイで皆といっぱい遊べたらいいな、と思っています。
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余談ですが、省エネモードに適応すべくゆる断食(かなり)をしてみた結果。
抑圧された環境下の中耐えられず1日しかできなかったけど、
それでもごはんが美味しくて美味しくて。
やっと会えた時の嬉しさったら、すごいなー。
また今までの様に遊べる日が来たら楽しくて堪らんだろうなと、
当たり前だった過去の絵を未来に浮かべるのでした。
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表現者というものは、感受してくれる人が居ることでその形になれる。
家では、皆おなじ人間で或る。
ステージ上・メディア上での人物像をあわせると、
アーティストは誰でも多重人格的ともいえる….と思う。
全ての人格を含めての”ひとり”であるから、
ひとり欠けた状態の今、ひとりぶんの熱量が余る。
だからこの時間は無駄では無いと思える。
何か表現しなくちゃ、残さなくちゃ、と毎日焦燥感に駆られるも、
自分自身だけを救う作品は今じゃ無い。
みんなの幸せを想像する。
想像力が備わっていてよかったよ。
想像力のおかげで、やさしさが生まれる、と思っている。
やさしい世界になりますように。
祈りの日々はつづく。
わたしが愛する世界の一部として、役割を果たしたい。
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久しぶりに(といっても2日ぶりくらい)音楽を聴いたら、
なんかよくわからんけども、ちょっと、涙がでた。
懐かしい曲を聴いたからだろう。
音楽を聴いた瞬間に世界が変わる。旅に出る。
音楽は記憶と密接である。匂いと同等レヴェルだと思う。
わたしが聴いたのは、
ムード・インディゴ 〜うたかたの日々〜 という
ミシェル・ゴンドリー監督の映画主題歌である“ghost surfer”
17歳の時に横浜の映画館で観た以来、私の人生で度々流れる曲。
音楽としての素晴らしさは度外視して、
その時見えている景色と自分の感情とが、黄金比のような形で合わさって、
総合的に、かけがえのない、とてもうつくしい宝物になる。
そして音楽(曲)が鍵となって、またその場所へ行くことができる。
そこでは今も(いつでも・いつまでも)観覧車がゆっくりと回っているし、
東京湾はきらきらと揺れている。
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こんなふうに、すばらしい場所に連れて行ってくれる曲たちが或る。
たくさんはない、大切な友人だってたくさんはいない。
この世界とお別れをしなければならない時が来たら、
残された時間、鍵となる曲たちを聴き、旅をして過ごしたい。
そしてわたしも、誰かにとって、すばらしい景色に行ける鍵となるような
音楽を作れたらいいな。
わたしが音楽をどうしようもなく好きなのは、
音の粒そのもののうつくしさを愛しているからでもあるし、
演奏家の魂が宿ったLIVEで心が震えたりするからでもあり、
忘れられない思い出にはいつも音楽が鳴っていて、
その時鳴っていた音楽(テーマソングのよう)を聴けば
いつでも回帰できる、旅の切符のようなものでもあるからです。
過去はふとした瞬間に夢幻かのように思え、
「あれ?あれは夢だったのかしら。」となりますが、
音楽がキーとなって脳が覚えているのです。
カレンダーにいくら記録して、見返しても、
その時の心模様までは再現できません。
今日も音楽の力を借りて、いろいろなところへ旅にでる。
みんなはどこへいくのだろうか。
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